ひなことうーちゃん

我が家のペットはひなこだけではない。ミニウサギのうーちゃん、セキセイインコのももちゃんとあおちゃんがいる。どれもひなこより古株である。ひなこは我が家で一番下っ端なのだ。しかし、ひなこはそんなことはツユほどにも思ってないらしい。ひなこにとって、この小さい生き物たちは「ちょっとコワイけどオモシロイもの」程度の認識なのだ。こうなってしまったのには、ひなこがまだ幼い頃、他のペットたちと触れ合わせなかったことに原因がある。いや、触れ合わせられなかったのだ。

ひなこが我が家に来たのは生後2ヶ月。ほかの動物と仲良くさせるにはちょうどいい時期であった。まだ小さいうちに他のペットたちに会わせて、例えインコに対してでも「先輩」だと思わせねば。これは重要な課題であった。ひなこが家に来た翌日、早速ご対面させてみることにした。ひなこをケージに入れ、その近くに私が他のペットを近づける作戦を立てた。うーちゃんを抱いてケージに近づいた。ひなこはうーちゃんを見た瞬間から半狂乱に興奮し、キャンキャンと騒ぎたててている。うーちゃんはブーブー怒っている。険悪なムードの中での初対面であった。

何度会わせても結果は同じだった。しびれをきらした私は1週間後には強行手段に出た。ひなこもケージから出した状態で対面させたのである。うーちゃんを見たひなこは相変わらず興奮している。気が狂ったかのようにうーちゃんの周りをドタバタと駆け回った。ひなこに何度も踏みつけられながらブーブー怒っているうーちゃん。ひなこが走るのをやめ、うーちゃんのにおいを嗅ごうと鼻先を近づけた瞬間、うーちゃんの得意技うさぎパンチが炸裂した。見事ひなこの鼻にヒット。ひなこはまたもや大興奮してうーちゃんを蹴散らし走り出す。・・・そのくり返し・・・。うさぎは骨が細い。簡単に骨折してしまう。ひなこに勢い良く足などを踏みつけられたら、大きなケガを負ってしまうだろう。何度会わせても結果が変わらないので私は諦めてしまった。なにより、うーちゃんがあまりの恐怖に目玉が飛び出るんじゃないかと思うほどに目を見開き、体を小さく丸めている姿を見るのがつらかった。

温厚だったうーちゃんはひなことの対面後、性格が一変した。人の膝元にやってきて背中をなでられるのが何より好きだったのに、えさを替えるのにケージの中に手を入れるだけで攻撃してくるようになった。ケージに人が近づくと「出して〜」と言わんばかりにそばに駆け寄ってきていたのに、ちょっと近くを通っただけで隅っこに隠れ、ブーブーと怒るようになった。完全に人間不信になってしまったのだ。ひなこのしつけに関しては後悔することがヤマほどあるが、このことが一番の後悔である。



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