おさんぽ

ひなこはお散歩が大好き。リードをつけるときおすわりをさせるのだが、しっぽを振るのに忙しく、中腰の姿勢でしかいられないほどだ。ひなこの散歩は体力勝負である。きちんと「ツケ」を教えなかったばかりに、散歩に出てしばらくは引っ張りまくってくれるのだ。しかし、一キロほど一緒に走ってあげると興奮も少しおさまり、ある程度ついて歩いてくれるようになる。今からツケを教えるくらいなら一緒に走ったほうがいいや、と思い、現在に至るのである。ひなことのお散歩は楽しいことも多いが困ったことのほうが多い。その中から2つほど小話を紹介しよう。

北海道の冬は長い。3月末頃までは路面は圧縮された雪でツルツルの状態である。しかし、北海道人にとってそれは当たり前のことなので、当然ごく普通に歩けるし、ごく普通に走れる。そして、ごく普通に転ぶ。ひなこが生後5ヶ月の頃、メキメキ成長し、メキメキ力が強くなっていった。しかも、子供なだけに疲れを知らず、散歩の道中は常に引っ張りまわしてくれていた。いつものように一緒に走っていた私は曲がり角でいきなりコケた。しかし、ひなこはその状況に気付かず、走るのをやめようとしない。私はそのまま10数メートル引きずられていった。西部劇にありがちな、手首をロープで縛られ、馬に引きずられるガンマンのように。しばらく走った後に私の状態に気付いたひなこは「何おもしろそうなことやってるの?」といった顔をして、テケテケと戻ってきた。瞳を輝かせ、とても天真爛漫な表情をしていたのを今でもはっきりと覚えている。

散歩中、ひなこはどこでもウンチをする。私が決まった場所でするようにしつけてないからなのだが。排泄したいそぶりなしで、いきなりする。さすがに人前でされるとちょっと恥ずかしい。ちょっぴりマナー違反な話だろう。ある日、いつものように突然ひなこはもよおした。例のウンチポーズで動かない。しかも、それは道路を横切っている最中だったのである。そこは道路の真ん中。後ろから車が来ている。交通量の少ない道路ではあったが、気が動転してしまい処理に手間取ったため、2台の車を止めてしまった。ドライバーに頭を下げてそそくさと立ち去ったが、あまりに恥ずかしくて、ドライバーと目を合わせることはできなかった。



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