ダニがついただに〜!

初夏のある日曜日、あまりの陽気に誘われて、私とダンナさんはひなこを連れ、とある公園に出かけた。北海道と言えど、なかなか暑い日であった。にもかかわらず、ひなこは口から泡をふきながら喜んでいる。ひなこもご多分にもれず、熱狂的な散歩好きなのだ。その公園のすぐそばには冬はスキー場になる山がある。しかも、荒れた芝生と雑草しかないので誰もいない。ここぞとばかりにひなこを放してみた。ひなこは興奮しながら雑草の中に分け入っていった。とても楽しそうだ。しばらくの間好き勝手に遊ばせた。ひなこも満足、私も満足、いいことづくめの有意義なお散歩。のはずが!!!

夜になり、いつものようにひなこと戯れる。ひなこは相変わらずブサイクな顔でこっちを見ている。その顔に何か違和感を感じた。いつもより更にヘンな顔なのだ。じっくり見ると、目の上に赤いゴミが3,4個ついている。ほろってみても取れない。もっとじっくり見るとそのゴミには足がはえてる。・・・ダニだった。ひなこのおいしいとは思えない血をたっぷり吸ってパンパンに膨れたダニだ。うげげッ。思わず後ずさりした。ひなこはいつもの調子で顔をなめようと接近してくる。見れば見るほど不気味な顔だ。恐る恐るひなこの体を調べてみると、目の上だけではなく、耳の裏側にもついている。どうしよう。

ダニをうまく取るには・・・。私の頭はフル回転した。確か熱に弱いんじゃなかったっけ?あと煙にも弱かったハズ。・・・タバコだッ!タバコに火をつけ、ひなこを二人がかりで押さえ付けた。何事かと暴れるひなこの耳元にタバコを近づけてみた。でも、やけどしそうでうまくいかない。今度は煙を吹きかけてみた。ダニは一向に動じない。タバコ作戦は失敗に終った。

タバコがダメなら・・・そうだ水攻めだッ!ダニだって生き物。水攻めにあえば息苦しくて離れるハズ!!!しかも、水より消毒液のほうが効果的かも。またもやひなこを押さえ付け、お耳掃除時愛用の消毒薬をビュービューかけてみる。・・・効果なし。水攻め作戦も失敗に終った。

こーなったら最後の手段、毛抜き攻撃!格闘すること数分、ダニは取れた。ひなこの耳に頭を残して。そう、最悪の事態になったのだった・・・。気力体力ともに使い果たした私たち夫婦は、もはや何もする気にならなかった。

翌日病院に連れていき、特殊なピンセットで目の上のダニはあっという間に片付いた。昨日の私たちの奮闘は何だったのだろう。すっかり虚脱した私に追い討ちをかけるように獣医さんは言った。「ダニは線香を近づけると簡単に落ちますよ♪」 タバコではなく線香だったのだ!なんてハンパな私の知識。すっかり魂を抜かれて病院を後にした。

それにしても、いやがる犬を押さえ付け、必死に耳元にタバコの煙を吹きかける人間たち・・・。想像するとかなりマヌケな姿である。ひなこ、生後9ヶ月の出来事であった。



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