怒られポーズ ![]() |
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ひなこのお友達に「ミルク」という3歳のラブラドールがいる。ミルクはご主人様が大好きで、ひなこがミルクの飼い主に撫でてもらっているのを見ると、やきもちを焼くようである。ある日、散歩の途中でミルクを連れた飼い主さんに出会った。犬好きなその飼い主さんはひなこを思いきり撫でてかわいがってくれる。やきもちを焼いたのか、ご機嫌斜めだったのか、ミルクはひなこに低い声で唸り、威嚇をした。飼い主さんがそんなミルクに対して怒りつけたとき、ミルクはすごい勢いで「ごめんなさいポーズ」をしたのである。ふせのような体勢で頭を低くして上目遣いにこちらを見上げている。その姿に私は衝撃を受けた。ミルクはちゃんと「怒られた」ということを理解していたからである。 ひなこは「怒られる」ということを理解していない。私のしつけが悪かったからか、ひなこがあまりにもお気楽な性格だからなのかはわからないが、怒りつけても尻尾を振り、目を輝かせて、遊んでくれるの!?といったポーズを取るのだ。鼻先を掴んでも全く効き目がなかった。かえって興奮度合いが増すだけなのだ。あまりのひどい悪戯に感情的になり、こちらの手がしびれるほど力いっぱい殴ってしまったこともあったが、それでもひなこは遊んでもらっているものと勘違いしているようであった。 しかし、ひなこも少しづつ「怒られる」ということを理解するようになってきたようである。私がひなこを怒るときは、鼻先を掴み、ひなこの目を睨みつける。以前はそれでも楽しそうな表情をしていたのだが、ここ半年ほどは表情が変わってきたのである。じっと睨みつけると、最初は目をそらそうと横を見たり上を見たりと落ちつかない。それでもまだ睨みつづけると、目を細め、「遠い目」をするのだ。視線は私の顔を向いているのだが、焦点は合っていない。私の顔より後ろのほうを見ているようである。そのじーさんのような顔つきを見ると、怒る気力も失せてしまう。それほど奇妙な顔なのだ。 2歳を過ぎたここ最近は更に知恵をつけ始めた。何かいたずらをしていて、私が外出先から帰ってきたと気付くと、ささっと自分のハウスに入る。そして、ビシッとおすわりをし、あのじーさんの顔つきで待っているのだ。耳をペタンと後ろに倒し、目を細めた、あの全てを達観したような表情で・・・。 |