ダニー・カムバック ![]() |
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ある日曜日、私とダンナさんはひなこを連れてドライブに出かけた。目的地は某森林公園。そこの展望台から山の中に入ると、休日の日中でも誰もいない拓けた芝生があるのだ。天気も良く、気温は25℃前後。湿度も低く、風が適度に吹いていたため、木陰に入るとそれは気持ちのいい日であった。コンビニでお昼ご飯を買い、早速その場所に到着した。 ひなこを放すと元気良く駆け出して、とても楽しそうである。私たちはその姿にほほえみながらお弁当を食べ、日光浴を楽しんでいた。人目がないのをいいことに、ダンナさんはTシャツを脱ぎ捨て、シャドウボクシングなんぞを調子に乗ってやっている。駆け回るひなことダンナさんのその姿を眺めながら、私は一人くつろいでいた。ちょうどその時、「うわッ」っと言う声とともに、ダンナさんがジタバタしている。そして私のところにやって来るなり、こう言った。 「ここ・・・ダニがいる。」 まだその場所に到着して30分ほどしか経ってないというのに、ダンナさんの体にはいつの間にやらダニが這っていたというのだ。しかし、だからと言って、おおいに楽しんでいるひなこをさっさと連れかえるのもかわいそうだ。去年ダニにかまれてひどい目に遭ったコトも忘れ、私はそのまましばらくひなこを遊ばせるコトにした。ダンナさんは、そんな私の隣で一人ひなこの体を心配している。たかがダニ。ひなこに2〜3匹ついたところで、線香で焼き落としてしまえばいい、私は軽くそう考えていた。 たっぷりと2時間近く遊び、私たちは帰宅することにした。ひなこも満足したのか、すんなりと車の中に入ってくる。そして、家に帰る途中、後部座席でくつろくひなこを見ると・・・ひなこの体はダニのアジトと化していた!!!目に見えるだけでも10匹以上のダニが、ひなこの頭に、背中に、いたるところに這っている。見てるだけでこっちがかゆくなる有り様であった。ぎゃーーーー!!!と叫ぶ私の隣で、ダンナさんはそれみたことかと、鬼の首を取ったかのように怒っている。家につくと、猛ダッシュでほうきを取りだし、ひなこの体を掃きまくった。出てくるわ出てくるわ!食いつく場所を探して、体中を這っていたダニがボロボロと落ちてくる。お腹やわきの下などくまなくチェックし、落とし忘れたダニがいないかをチェックして家の中へと入った。 意外にも被害は少なく、ひなこは4匹のダニにかまれただけで済んだ。どれも目の上である。私たちは線香を取り出すと、ひなこの顔にくいこんでいるダニ落とし作業にとりかかった。しかし、ひなこの暴れっぷりは想像をはるかに越えていた。身動きがとれないくらいに体を抑えつけることはできる。しかし、場所が場所だけに目を開けたり閉じたりされると、それだけで手元が狂って線香の火を目につけてしまいそうになるのだ。なんとかダニの体に線香の先をつけることができ、ダニは絶命した。・・・ひなこの顔にくいこんだまま。 それからが問題である。いくら死んだとはいえ、くいついたままのダニを放置すれば、その部分が炎症を起こしてしまう可能性があるからだ。ちょうどその時、たまたま実家から電話がかかってきた。ダニのことを話すと、姉がいい取り方を知っているという。電話をかわって教えてもらったその方法とは・・・「爪の先でダニの頭をつかみ、ピッと取る」・・・それだけ。何度詳しく聞いても「だからピッて取るんだよお〜。ピッ!って。」と繰りかえすばかり。わらにもすがる思いだった私は早速実行に移すことにした。ダニを触るのに抵抗がある私は抑えつけ係。ダニを「ピッと」取る係はダンナさんである。嫌がるひなこの顔を保定し、ダンナさんがおもむろにダニを掴むと、思いっきり引っ張った。 その瞬間!!!私はひっくり返った。勢いあまったダンナさんの拳が私の顔面に炸裂したのである。鼻を直撃され、涙目になりながらもひなこの顔を見るとダニは相変わらずくいついている。・・・痛い思いをした上に失敗したのだ・・・。すっかりやる気をそがれた私は、次の日獣医さんに取ってもらうことにしたのである。 しかし、まだ話が終わったワケではない。その日、夕食を食べている時、私の手にダニが這っていた。そう。まだひなこの体のどこかにダニが潜んでいたのである!!!それからはちょっとでも体に違和感があるとダニがいるのではないかと気が気ではない。自分の体やパジャマをくまなく調べてからベットに入ったが、体が少しでもかゆいと電気をつけて、ベットや体をチェックした。ダンナさんも同じ思いなのか、私が眠りにつきそうになるとバサッと体を起こしては電気をつけてモソモソとやっている。・・・こうして二人ともまともに眠れないまま朝を迎えたのだった・・・。 |