知能犯 ![]() |
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ひなこは陽気で興奮しやすい。怒られて動じることも、他人を警戒することも全くなく、常に幸せそうに生きている。そのため、彼女は単なる「バカ犬」に見られがちである。しかし、実はそれほどおバカな犬ではないのだ。そもそも「バカな犬」は、ほとんどいないものである。無理な繁殖をして遺伝的な欠陥をもつ犬も中にはいるだろうが、たいていの犬は頭がいい。飼い主がその犬をよく理解し、個性に合わせたしつけを行えば、どんな犬でも「天才犬」になる可能性を秘めているのだ。ひなこもどうやら頭がいいらしい。ただその知能の大部分は「どうやっていたずらをしようか」ということに使われていることがわかってきた。 彼女は私がお風呂に入ると長い間出てこないのを知っている。シャワーの音で判断しているのかどうかは知らないが、お風呂に入っている間に寝室へ入りこみ悪事の限りをつくす。そして、私があがる頃にはリビングへと戻り、何事もなかったかのような顔をしてソファーで寝そべっているのだ。しかし、さすがに寝室の扉を閉めることまではしないため、すぐにバレ、私に怒られるハメになる。寝室に入れないようにバリケードを作ってみたりもしたが、入れないことがわかると、リビングにあるカーテンやソファーカバーをビリビリにしてしまう。悪魔の化身かと思われるほどの暴れっぷリである。 ただ、それは私がお風呂に入っているときだけで、外出中、留守番をさせているときにはあまりしない。お風呂に入っているときに限って、なぜか悪質ないたずらをするのだ。ずっと不思議に思っていたが、最近になってあるパターンを見つけた。ひなこがお風呂に入るのは月に2回。そして、その次の日から数日間にわたって、私の入浴中に必ずいたずらをするのである。これはもしかして「自分だけお風呂に入ってズルイ!」という気持ちの現れなのだろうか?偶然なのかどうかはわからないが、どちらにしても迷惑な話である。 余談だが、最近の私にはやってみたいことがある。寝室の扉は和風の引き戸なので、ちょっと隙間を開けておいて、上のほうに何かものをはさんでみたいのだ。小学生の頃、必ず先生にやったいたずらのように。黒板消しがあればベターなのだが、違うものでもいい。しかし、ひなこは私がいるときには寝室へは入らないし、いないときに寝室へ入ろうとして、上から何か物が落ちてきても、その落ちてきた物体を遊び道具にされてしまう。扉を開けた途端、ひなこの体に直撃し、そのあと何事もなかったかのように元に戻るような装置が作れないものかと真剣に悩む今日この頃である。 |