ひなこ、下痢になる ![]() |
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5月、北海道では桜がやっと咲き始め、過ごしやすい季節となる。そんな5月のある天気のいい日、いつもの散歩コースに飽きた私は、歩いて20分ほどのところにある河川敷にひなこを連れて行った。 いつもと違う道だと気付いたひなこは興奮し、いつもにも増して引っ張りまくってくれた。河川敷はきれいに整備され、ベンチもある。しかも、平日の日中は人っ子一人いない。私は思いきってひなこをリードから放してみた。ひなこは狂ったようにあたりを駆け回り、その後、勢い良く川に入っていった。川の流れはゆるいものの、中央はひなこの足の届かない深さである。急いで川岸に行ってみると、ひなこは浅瀬で川の水をガブガブ飲んでいる。生活廃水や産業廃水で赤黒く濁り、ヘドロのついた水を!ひなこを呼び戻そうとした。おいでと叫ぶ私を横目で見ながら、聞こえないフリをかますひなこ。そのうちたっぷりと川の水を飲み終え、バシャバシャと駆け回って遊び始めた。深い川の中央に行く様子もなく、ひたすら浅瀬を走りまわっている。その楽しそうな姿に私はメロメロになり、しばらく好きなように遊ばせたのである。思う存分遊んだひなこは満足げに私のほうへ駆け寄ってきた。素直にリードもつけさせてくれ、引っ張る事もなく従順に私のそばを歩き、お互い大満足で帰路へついた。 家へ帰るとひなこは大爆睡。幸せそうな寝顔を見ながら、これからはまめに河川敷で遊ばせてあげよう、と私は思った。しかし、時間が経ち、ひなこの濡れた毛が乾いていくにつれ、異様な悪臭を放ちはじめた。いわゆる「ドブのにおい」である。部屋中に悪臭が充満しはじめた。窓を開け空気を入れ替えながら、やっぱりお風呂に入れる前の日だけ連れていってあげよう、と思い直した。 しばらくしてひなこは目覚めるなりトイレに駈け込んだ。ひどい下痢をしている。あんなヘドロだらけの水を大量に飲んで何も起こらないわけがない。それからも1時間に一度はトイレに駈け込み、何も出るものがなくなっても便意だけはあるようで腰を落としている。食欲と元気はあるものの、その状態は3日ほど続いた。そして私は2度とあの河川敷には連れていくまいと心に誓ったのである。ひなこ、生後8ヶ月の出来事であった。 |